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子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種案内が再開される背景とは?解説します。


みなさんは子宮頸がんワクチンというものがあるのをご存じでしょうか。
子宮頸がんとはどのような病気なのでしょうか?
子宮頸がんはそのほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)の感染がもとになり、前がん病変を経て数年から数十年の経過で発生してきます。子宮頸がんになると子宮全摘や放射線療法が必要となり、妊孕性(妊娠ができる状態)が失われる可能性が高くなります。前がん病変であれば経過観察としたり、レーザー治療や円錐切除を行うことで妊孕性は保たれますが、早産のリスクが4倍になるといわれています。
子宮頸がんに対して私たちができる対策は?
子宮頸がんを効果的に予防できる方法は2つあります。ひとつは「子宮がん検診」です。しかし、日本での子宮頸がん検診の受診率は欧米諸国と比較すると低率で、特に若年女性の受診率は10~20%と非常に低いです。また子宮頸がんが検診によって予防できるのは、前がん病変のうちに発見され、円錐切除などで治癒させてしまうからですが、円錐切除を行うとその後の妊娠に影響がでてしまうため完全な予防策とは言えません。
もうひとつの方法は子宮頸がんワクチンの接種になります。日本でも2010年から13歳~16歳に対して公費助成が開始され、2013年からは12歳~16歳を対象に定期接種となりました。しかし、ワクチン接種後の副作用が大きく報道されたことにより積極的勧奨が差し控えられることとなり、一時は7割ほどあった接種率が現在では1%未満となっています。WHOからはこの積極的勧奨の差し控えは批判されおり、日本産婦人科学会などからは子宮頸がんワクチンの接種が推奨されているにもかかわらず、現在でも国による積極的勧奨の差し控えは続いています。
HPVワクチンの世界での接種状況は?
HPVワクチンは2006年に開発され、現在世界では多くの人に投与されています。有効性については様々な論文で報告されており、子宮頸がんの予防効果が示されています。
近年、スウェーデンで行われた全国規模の研究で、17歳までに4価HPVワクチンを接種した場合、浸潤性子宮頸がんになるリスクが88%低下したという報告がなされ世界に大きな影響を与えました。
今後世界的には、HPVワクチンの接種をさらに進めていく方向で動いていくだろうと思われます。
HPVワクチンの副作用のリスクはどうなのでしょうか?
ここでやはり一番気になる事は副作用についてだと思います。これまで接種控えの原因となっていた2013年ごろから報道のあったワクチンによる副作用というのは実際のところはどうなのでしょうか。
当時、ワクチンを接種したあとに「多様な症状」と呼ばれる様々な症状が出現したことが報告されました。「多様な症状」とは広範囲の痛みや手足の動かしにくさ、不随意運動(無意識に手足や顔などが動いてしまう事)などを中心とする症状でした。これらの症状の報告を受け、様々な調査研究が行われましたが、ワクチン接種との直接の因果関係があるという証明はなされませんでした。HPVワクチンを打たなかった人たちにも、同様の頻度でこれらの「多様な症状」というのは出現していたのです。
すなわちHPVワクチン接種自体の痛みや不安によってこれらの症状が引き起こされた可能性は否定はできないものの、ワクチン自体の副作用としては考えにくいという結論です。ですので、これまでにワクチン接種や注射をした後や、けがの後などに原因不明の痛みなどが続いたことがある方は、HPVワクチン接種によっても同様の「多様な症状」が出現する可能性が高いと考えられるため接種するかどうかは慎重に考える必要があります。
逆にそのような経験のない方は、必要以上に「多様な症状」の出現を恐れる必要はないといえます。しかし、HPVワクチンも薬剤のひとつであることには変わりないためアレルギー症状など以下のような副反応が出現する可能性は一定の頻度でありえるため十分に理解したうえで接種することが必要です。
吹田市での子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の定期接種を受けるには?
吹田市に限らず、豊中市や箕面市などにおいてもですが、子宮頸がんワクチンの無料定期接種は続いています。しかし、積極的な勧奨はせず、希望者のみに行うというスタンスを継続しています。
そのため、定期接種の対象の学年(小学校6年~高校1年生相当の女子)になっても受診券や予診票などが各家庭に送付されることはありません。しかし、最近になって、案内のパンフレットを一部の学年に対して送付するという事が行われています。接種を希望する場合は以下の手順で無料で接種を受ける事ができます。
①吹田市民の場合は、吹田市保健センター(06-6339-1212)へ問い合わせて予診票を取りに行く、もしくは送付してもらう。
②HPVワクチン接種を行っている医療機関へ問い合わせて接種の予約を行う
③予約した日に予診票と母子手帳を持って医療機関を受診する。
当院(さなだ内科・消化器内科クリニック)では、子宮頸がんワクチンの定期接種も行っております。ご希望の方は当院までお問合せ下さい。
詳しくは予防接種のページもご覧ください。
吹田市 北千里 さなだ内科・消化器内科クリニック
参考文献

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