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2021.06.07

①逆流性食道炎ってどんな病気?

逆流性食道炎とはどのような病気なのでしょうか?

逆流性食道炎とは、胃のなかの胃液に含まれる胃酸が食道へ逆流し、食道の粘膜がただれ、炎症を起こすことで生じる病気の事をいいます。

逆流性食道炎とはどのような病気なのでしょうか?

食道はのどから飲み込んだ食物を胃まで運ぶ器官です。約30㎝ほどの長さがあります。

食べ物をごくっと飲み込むとそれに反応して蠕動といって、波のように食道の筋肉が伸び縮みして下へ伝わり食べ物を胃まで運びます。

飲み込んだ食べ物は、主に重力で胃まで落ちていると思われがちですが、この蠕動という収縮の波の力は意外と強く、逆立ちした状態で水を飲みこんでも重力に逆らって胃まで水が運ばれていきます(一度やってみた事がありますがまったく逆流してきませんでした。しかし、これは個人差もあるので危険ですので真似はしないでください)。

食道は食べ物を胃へ送り出す役目をもっています。しかし強い酸性(pH1程度)である胃液に対するバリアは持ち合わせていません。

胃液を多く含む食べ物が胃から食道へ逆流してくると、食道の粘膜はただちに傷ついてしまいます。

そこで食道と胃の境目には下部食道括約筋というリング状の筋肉があります。これは普段はぎゅっとしまっており、胃から食道への食べ物の逆流を防いでいます。

ひとたび食物が口から嚥下されると、それに伴い食道に蠕動が生じ、その波にタイミングを合わせるようにして下部食道括約筋が緩むことで胃へ食べ物が送り出されます。

通常はこの下部食道括約筋の働きにより、胃酸が食道へ逆流することはあまりありません。またもし多少逆流したとしても、飲み込まれた唾液や食物により胃内へ押し流されるため、症状を引き起こすまでは至りません。

ところが、この下部食道括約筋がうまく働かなかったり、胃酸の分泌が過剰になったり、胃の内圧が高くなるようなことになると、想定以上の胃酸が食道に逆流することになります。これにより逆流性食道炎の発症につながってきます。

 

逆流性食道炎はどのような症状がよくみられるのでしょうか?

逆流性食道炎では、様々な症状がみられます。よく見られる症状として「胸やけ」「呑酸」「つかえ感」「胸の痛み」が挙げられます。

「胸やけ」は逆流性食道炎の方の約半数の方に見られる症状で、みぞおちから胸骨のうらにかけて、熱く焼けるような感じがします。胸のムカツキと表現する事もあります。

「呑酸」とは、喉や口の中まで酸っぱい感じが上がってくる状態をいいます。のどが焼ける感じがすることもあります。

「つかえ感」は、喉に何かが使えているような感覚をいいます。食べ物を飲み込むときに飲み込みづらいといった症状の事もあります。

喉に感じる症状のため、まず耳鼻咽喉科を受診される方も多く、そこで喉には異常を認めず、逆流性食道炎を疑われ消化器内科への受診を指示される事も多いです。

「胸の痛み」も頻度は多くないですが、逆流性食道炎でも起こりうる症状になります。上記の症状に絡んで、胸が締め付けられるように痛くなったり、焼けるように痛むことがあります。このような症状の場合は、心筋梗塞なども考えなければならないため、急いで心電図をとることもありますが、逆流性食道炎の場合は心電図に異常はなく、胃カメラ検査をしてみると異常が見つかったりします。

上記にあげた症状のほかに、「げっぷが良く出る」 「胃もたれ」 といった症状で受診される方も多くいます。

このような症状がみられる場合は、逆流性食道炎の可能性があるため消化器内科を受診して胃カメラを受ける事が勧められます。
2021.04.02

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種案内が再開される背景とは?解説します。

みなさんは子宮頸がんワクチンというものがあるのをご存じでしょうか。
子宮頸がんとはどのような病気なのでしょうか?
子宮頸がんはそのほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)の感染がもとになり、前がん病変を経て数年から数十年の経過で発生してきます。子宮頸がんになると子宮全摘や放射線療法が必要となり、妊孕性(妊娠ができる状態)が失われる可能性が高くなります。前がん病変であれば経過観察としたり、レーザー治療や円錐切除を行うことで妊孕性は保たれますが、早産のリスクが4倍になるといわれています。
子宮頸がんに対して私たちができる対策は?
子宮頸がんを効果的に予防できる方法は2つあります。ひとつは「子宮がん検診」です。しかし、日本での子宮頸がん検診の受診率は欧米諸国と比較すると低率で、特に若年女性の受診率は10~20%と非常に低いです。また子宮頸がんが検診によって予防できるのは、前がん病変のうちに発見され、円錐切除などで治癒させてしまうからですが、円錐切除を行うとその後の妊娠に影響がでてしまうため完全な予防策とは言えません。
もうひとつの方法は子宮頸がんワクチンの接種になります。日本でも2010年から13歳~16歳に対して公費助成が開始され、2013年からは12歳~16歳を対象に定期接種となりました。しかし、ワクチン接種後の副作用が大きく報道されたことにより積極的勧奨が差し控えられることとなり、一時は7割ほどあった接種率が現在では1%未満となっています。WHOからはこの積極的勧奨の差し控えは批判されおり、日本産婦人科学会などからは子宮頸がんワクチンの接種が推奨されているにもかかわらず、現在でも国による積極的勧奨の差し控えは続いています。
HPVワクチンの世界での接種状況は?
HPVワクチンの世界での接種状況は?
HPVワクチンは2006年に開発され、現在世界では多くの人に投与されています。有効性については様々な論文で報告されており、子宮頸がんの予防効果が示されています。
近年、スウェーデンで行われた全国規模の研究で、17歳までに4価HPVワクチンを接種した場合、浸潤性子宮頸がんになるリスクが88%低下したという報告がなされ世界に大きな影響を与えました。
今後世界的には、HPVワクチンの接種をさらに進めていく方向で動いていくだろうと思われます。
HPVワクチンの副作用のリスクはどうなのでしょうか?
ここでやはり一番気になる事は副作用についてだと思います。これまで接種控えの原因となっていた2013年ごろから報道のあったワクチンによる副作用というのは実際のところはどうなのでしょうか。
当時、ワクチンを接種したあとに「多様な症状」と呼ばれる様々な症状が出現したことが報告されました。「多様な症状」とは広範囲の痛みや手足の動かしにくさ、不随意運動(無意識に手足や顔などが動いてしまう事)などを中心とする症状でした。これらの症状の報告を受け、様々な調査研究が行われましたが、ワクチン接種との直接の因果関係があるという証明はなされませんでした。HPVワクチンを打たなかった人たちにも、同様の頻度でこれらの「多様な症状」というのは出現していたのです。
すなわちHPVワクチン接種自体の痛みや不安によってこれらの症状が引き起こされた可能性は否定はできないものの、ワクチン自体の副作用としては考えにくいという結論です。ですので、これまでにワクチン接種や注射をした後や、けがの後などに原因不明の痛みなどが続いたことがある方は、HPVワクチン接種によっても同様の「多様な症状」が出現する可能性が高いと考えられるため接種するかどうかは慎重に考える必要があります。
逆にそのような経験のない方は、必要以上に「多様な症状」の出現を恐れる必要はないといえます。しかし、HPVワクチンも薬剤のひとつであることには変わりないためアレルギー症状など以下のような副反応が出現する可能性は一定の頻度でありえるため十分に理解したうえで接種することが必要です。
HPVワクチンの副作用のリスクはどうなのでしょうか?
吹田市での子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の定期接種を受けるには?
吹田市に限らず、豊中市や箕面市などにおいてもですが、子宮頸がんワクチンの無料定期接種は続いています。しかし、積極的な勧奨はせず、希望者のみに行うというスタンスを継続しています。
そのため、定期接種の対象の学年(小学校6年~高校1年生相当の女子)になっても受診券や予診票などが各家庭に送付されることはありません。しかし、最近になって、案内のパンフレットを一部の学年に対して送付するという事が行われています。接種を希望する場合は以下の手順で無料で接種を受ける事ができます。
①吹田市民の場合は、吹田市保健センター(06-6339-1212)へ問い合わせて予診票を取りに行く、もしくは送付してもらう。
②HPVワクチン接種を行っている医療機関へ問い合わせて接種の予約を行う
③予約した日に予診票と母子手帳を持って医療機関を受診する。
当院(さなだ内科・消化器内科クリニック)では、子宮頸がんワクチンの定期接種も行っております。ご希望の方は当院までお問合せ下さい。
詳しくは予防接種のページもご覧ください。
参考文献
2021.03.22

吹田市の新型コロナウイルスワクチンの動向について

吹田市では、「吹田市新型コロナウイルスワクチン接種実施計画」が発表されました。
この計画は現時点でのものであり、今後、国の通知、ワクチンの供給状況などにより変更となる可能性は十分あります。

ワクチンの接種はどこで受けられるの?

現在の計画では、吹田市内の6か所の公共施設での集団接種と、各医療機関での個別接種に分けられます。まずは65歳以上の高齢者への接種から開始になりますが、集団接種は5月上旬から、個別接種は5月中旬からの開始が予定されています。4月中は施設入所者への接種が先行して行われるようです。

集団接種が受けられる会場はどこなの?

吹田市内では集団接種を行う会場として以下の6か所が予定されています。
目俵市民体育館:土日のみ。
文化会館(メイシアター):毎日。
江坂花とみどりの情報センター(江坂公園内):水・木・土・日。
総合運動場:土日のみ
山田市民体育館:土日のみ
千里市民センター大ホール:毎日

どの施設も平日は13:30~15:00、土日は10:00~12:00、13:30~19:30が予定されています。集団接種は土日がメインということになります。逆に日曜日以外でも受けられる方はかかりつけや近所のクリニックで受ける事も選択肢になります。

この集団接種のみで週に8400人分の接種を行う予定になっています。

接種するための予約はどうすればいいの?

集団接種については、吹田市のコールセンターに電話で予約(0570-097-770) 月~日、9:00~20:00。もしくは市のホームページ、LINEでのネット予約があります。予約は4月中旬から開始の予定です。

個別接種については、各医療機関に問い合わせということになっています。

当クリニックでも新型コロナウイルスワクチン接種を行う予定にしております。ワクチンの入荷の時期、数量がわかり次第ホームページのお知らせで告知するとともにWEB予約を開始する予定としています。

今後の大まかな予定はどうなりそうでしょうか?

3月下旬に65歳以上の高齢者の方へ接種券と予診票が送付されます。国からのワクチン供給が整い次第ではありますが、4月中旬から高齢者の集団接種予約が開始になります。そして5月上旬から集団接種を開始、5月中旬から個別接種を開始というのが現時点での予定になります。

高齢者以外(16歳~64歳)の方については、接種券と予診票の送付は6月頃、接種開始時期は7月頃が予定されています。

しかしこれまでもワクチンの入荷が遅れて、予定がのびのびになっており、ここからさらに遅れる可能性が高いと思われます。

参考資料

吹田市ホームページ(コロナワクチン接種について)
https://www.city.suita.osaka.jp/home/soshiki/div-kenkoiryo/hokencjigyo/_107101.html

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